薬物にも匹敵する強い依存性

脳に作用し快感を起こす

近年、国内外の医学会において、習慣化してやめられない喫煙行動のことを「ニコチン依存症」と定義し、一つの病気としてとらえて積極的に治療すべき、との考え方が広まってきました。


ニコチンの依存症は決して弱くありません。

英国などではヘロインやコカイン、アルコールに匹敵する、といった報告もされています。


なぜ、それほど依存性が強いのでしょうか。

それは、ニコチンが脳に作用する薬物の一つだからです。

肺から血流に乗って全身を駆け巡るニコチンは、脳に達します。

そこで脳の中枢神経に存在する受容体と結合し、快感を起こさせる作用があります。

たばこを吸うと頭がすっきりするのは、そのためだといわれています。

この感覚は当然、血中ニコチン濃度の低下とともに薄れてきます。

すると、落ち着かない、眠い、無気力、頭痛、肩こりなどといったニコチン欠乏による症状が表れてくるのです。



喫煙期間と若さが影響


こうした不快な症状を解消するために、再びニコチンを補給するといった悪循環に陥ります。


これがニコチン依存の仕組みです。

愛煙家が朝起きると、すぐにたばこに火を付けたくなるのはこのためです。


また、依存の強さは、ニコチンを受け取る受容体の数と感受性にも関係があります。


この二つはどちらも喫煙期間の長さに比例し、若いころの方が、より強く影響を受けるといいます。

つまり喫煙開始年令が早く、期間が長い人ほど、ニコチンへの依存性も強くなるということです。

純粋にニコチン依存だけなら、パッチ(シール)やガムによる補給で脱却も可能です。

これらは現在、治療に生かされています。


ここちよい記憶が障害に

禁煙にまつわる心地よい記憶も、たばこを辞める時の障害となります。

つまり、喫煙が休憩と一体化していると、なかなか禁煙を維持できないのです。


「一服」とは、「薬・茶・タバコなどを一回飲むこと」とで、転じて「ちょっとの間休むこと、一休み」という意味です。


仕事の合間の休憩時間は、誰にとっても、緊張感やストレスから解き放たれ、ほっと一息つける時間です。


同僚と世間話に興じ、コミュニケーションを図れる貴重な時間でもあります。


こうした心地よい感覚が喫煙行動と一体となって脳に刻まれると、そこから完全に離れることは難しくなります。

休憩時に必ずたばこを吸っていた人が禁煙をするは、たばこ以外の休憩方法を新たに習慣化する必要があります。



手軽に買える価格も一因


たばこを簡単に入手でき、手軽に禁煙できる環境も、禁煙を難しくさせる一因となっています。


ニコチンは、注射をするよりも呼吸器を通して、吸入する方が、脳に早く到達します。


たばこに火を付けて吸い込めば、ニコチンを補給できるとういう手軽さが喫煙の特徴です。


価格についても同様のことがいえます。

たばこ一個の国際価格を比較すると、日本では現在300円前後です。


欧米では1000円前後もする国や州が、かなり多く存在します。


日本は、たばこが安く手に入る国なのです。


愛煙家からは、よく「一箱1000円になれば禁煙する」といった声が聞かれます。


確かにたばこが一箱1000円になれば、缶コーヒーを買うような手軽さでは購入できなくなります。

未成年にとっても、よりハードルが高くなるでしょう。


禁煙にチェレンジするに当っては、これら難しくしている原因を一つ一つ認識していくことが、まず第一歩といえるでしょう。
posted by venus at 11:39 | なぜ禁煙は難しいのか
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