受動禁煙

実態の点検


たばこの煙の健康被害は、吸う人はもちろんのこと、受動喫煙という形で、子供や高齢者、何らかの病気に悩んでいる人など、吸わない人にまで及びます。

たばこを吸う人も吸わない人も、いま一度、自分の周囲の環境を点検してみる必要があるかもしれません。


より多くの有害物質


喫煙者がフィルターを通して吸い込む煙のことを「主流煙」というのに対し、点火したたばこの先から放出される煙のことを「副主流煙」といいます。


また、副主流煙や、喫煙者が吐き出した煙を周囲の人が吸い込むことを「受動喫煙」といいます。


フィルターを通過した主流煙に比べ、不完全燃焼が多くフィルターも通っていない副流煙には、より多くの有害物質が含まれています。


このことは国内外の多くのデーターが示しており、例えばニコチンは3倍弱、一酸化炭素は5倍弱、アンモノアは約46倍も含まれているということです。


たばこの煙は、子供の喘息や気管支炎といった呼吸器の病気や、耳間を通して、中耳炎を引き起こす危険性があります。


また、乳幼児突然死症候群との関係も指摘されています。


妊娠中は、たばこをやめるお父さんやお母さんが増えていますが、出産すると喫煙を再開してしまうことが影響しているようです。


肺がんや心臓発作も


もちろん成人の体にも、受動喫煙はさまざまな影響を及ぼします。

肺がんや心臓発作により死亡のリスク(危険性)は、受動禁煙によって20〜30パーセント上昇します。


他の環境汚染物質であるアスベストやディーゼル排ガス、ダイオキシンと比べても、受動禁煙が50年程度続いた場合の人口10万人当たりの死亡者数は、十倍から三十倍以上にある、との試算もされています。


原因が重複したり、ほかの生活習慣や環境要因も重なったりするため、単純に比較するのが難しいのは事実です。


しかし、程度にもよりますが、受動禁煙が体に及ぼす悪影響は、決して小さく見ることはできません。


煙から7mは離れる

タバコの煙は一体、どのくらいの範囲まで届くのでしょう。


無風状態の屋外における実験によると、目、喉への刺激や頭痛といった急性の健康被害が発生する濃度の煙は、喫煙者の半径4m以内に、においと発ガン物質だけなら半径7mまで広がるといいます。


そう考えると、不特定多数の人が集まる場所においては、建物や敷地内は、完全禁煙にすることが理想です。


もし、禁煙場所を設けるとするならば、たばこを吸うために密閉された
空間が必要でしょう。


屋外に開放された場所に設ける場合、気流の影響を考えて、人が通る場所から7m以上、できれば十数mまで離れた場所に設置することが望まれます。


最近、ほとんどの飲食店で見られるような、吸う場所を仕切ってあるものの、煙が自由に出入できるような状態では、不十分だといわれています。


また家庭での工夫として、ベランダや玄関先に出て吸うように努めている人がいます。


その場合も、吸い終わってから3〜4分間は吐く息の中に大量の有害物質が含まれているので、十分な時間を過ごしてから入室するのが理想です。

換気扇の下での喫煙は、煙は室内に広がってしまい、思ったほど、効果は得られません。


正しい知識に基づいて


自分の体の健康は、まず自分で守るのが第一です。


たとえ子供や自分で吸わない人でも、同居する家族に喫煙者がいれば、当然その影響は大きく、数年後の健康にかかわってくる危険性があります。

一方、喫煙者は、自分の健康も含め、家族や周囲の受動禁煙について真剣に考え、話し合ってみることが大事です。


特に、家族の中で何か病気や症状をもった人がいる場合、その周辺を無煙環境にすることが思いやりといえるでしょう。


禁煙、ニコチン依存症は、再発しやすいものではりますが、繰り返し治療することにより必ず完治できます。


家庭や職場での受動喫煙について、正しい知識にもとづいて、いま一度点検してみましょう。
posted by venus at 16:25 | たばこの煙について考える

たばこの煙について考える

たばこの煙による健康被害の報告は数多く、体への悪影響について、多くの人が認識するようになりました。

それは喫煙者本人にとどまらず、家族や周囲の人にも及びます。

それでもなお、やめられないのは、ニコチンの強い依存性によるものです。


たばこの煙には、約4000種類もの科学物質が含まれ、そのうち有害物質は約200種類、発ガン物質も数十種類あるといわれています。

主なものは次の通りです。

ニコチン
気道を刺激し血管収縮作用、依存性がある。


アンモニアニコチンの吸収を補助する作用がある。


一酸化炭素
ヘモグロビンと結合し、赤血球の酸素運搬能力を低下させる。


その他ベンツプレン、ダイオシキシン類、アルデヒド類などの発がん性が疑われる物質

これら有害物質を含んだ煙に直接さらされるのが呼吸器です。

喫煙と呼吸器疾患には、深い関連性があります。

中でも代表的なのが慢性閉塞性肺疾患です。慢性気管支炎と肺気腫という合併して起こしやすい二つの病気を合わせた呼び名です。


吸い込んだ空気の通り道である気管支は、内側の表面が、線毛という目に見えない細い運動性の毛で覆われています。

線毛には、空気と共に外部から進入しようとする異物を排出する働きがあります。

たばこの煙は、この線毛に障害を与えます。

すると気管支は、炎症を起こしやすくなり、たんを伴ったせきが出て、肺も感染症に侵されやすくなります。

一方、肺気腫は、肺の中のガス交換の場である、肺胞組織が破壊されて起こる病気です。

これも、主な原因は、たばこの煙です。

肺胞の数が減ってしまうと肺は弾力性を失い、その結果、酸素と二酸化炭素を交換する機能が低下します。

日常的な歩行でさえ、息切れがして、その苦しさは、あたかも”陸上でおぼれているようだ”といいます。

さらに病気が進行すると、常に酸素ボンベが必要な生活を強いられることもあります。


煙の成分は、血液に乗って全身をくまなく巡ります。

その結果、血管やさまざまな臓器にも多大な悪影響を及ぼします。

動脈硬化もその一つです。

動脈硬化は、脳卒中や心臓発作などを引き起こす危険性を格段に高めます。

厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されている病気の一つ、ビュルガー病(バージャー病または閉塞性血栓血管炎ともいう)があります。

これは手足の細い血管に血栓が詰まってしまう病気です。

進行すると詰まった箇所から先へ血液が行き届かなくなり、やがて壊死して、手足の切断を余儀なくされてしまいます。

この病気の患者は、ほぼ100%喫煙者で、喫煙で悪化することが分かっています。

たばこの煙による直接、間接的な影響は、肺や食道をはじめ、さまざまながんの発症率にも表れ、これらは国内外の多くの統計によって裏づけられています。

特に、煙に直接さらされる口腔、咽頭、喉頭がんにおいては、患者のほとんどが喫煙者で占められています。

このほかの煙による影響として、声のしわがれも指摘されています。

また、目や口元周辺に、しわが深く刻まれ、肌の色が褐色がかった「スモーカーズフェース}と呼ばれる特有の表情を指摘する報告もあります。

このように、たばこの煙は、私たちの体に対して、重大な影響を及ぼし続けているという事実を忘れないでおきたいものです。
posted by venus at 12:10 | たばこの煙について考える
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